今の立場になってから、世界中で治療が難しいと言われる人の相談をいただけるようになった。日本全国からの患者さんに関しては、自分が治療をさせていただけるまでになった。
「日本で一番やっています」と言わせていただいているからには、誰かが治療をしてうまくいかなかったり、再発してしまったり、そもそも手術ができないという人を目の前にする機会が増える。
ほとんどの患者さんへの治療は、いつも通りの努力をすることで、治療ができる。それはそう。フィギアスケートで例えるなら、僕は5回転を飛んでいる世界で唯一の存在だと思っている。平均の3回転半を飛んでいる人では難しい4回転や4回転半の治療は、通常通りでできる。でも、中には5回転いや5回転半のジャンプを必要とされる患者がいる。
今もまさにそうだ。
そういった患者が一人でも居ると、毎日がガラッと変わる。いつもその患者のことが頭に出てくるし、夢にも出てくる。朝起きればすぐにその患者のことを考えてしまうし、そこかしこに出てくる。今までもそう言った経験があって、5回転ジャンプできるようになった。言語化するとただそれだけ、でも実際はとてつもないストレスが自分にかかっている。
4回転半から5回転にするレベルの能力を伸ばすというのは、並大抵のことではない。
他の仕事も全く手につかなくなる。しかしそんな極限の状態のときに新しい治療が思いつく。