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頭蓋底手術・遠隔手術支援システム

今日は、こちらで嗅神経芽腫の手術を見学しました。嗅神経芽腫の手術に代表される前頭蓋底腫瘍の切除は近年世界中で注目されており、日本では僕たち慈恵医大が一番手術をさせていただいているものです。この手術で一番問題となる合併症は術後の髄液漏ですが、我々のチームは特殊な術後の頭蓋底再建の方法を考案したことにより術後の髄液漏が0%と驚異的な数字を達成できております。

こちらの先生も、僕たちの論文を勉強してくれており、l今日は僕らの行っている頭蓋底の再建方法を頑張って採用してくれました。まだ頭蓋底の縫合までは出来ませんが、今度ご遺体を使用した手術研修会の時にまず教えてくれと言われているので、僕が帰るまでには硬膜の縫合技術を伝えることができればと思っております。こちらの患者は、術後の髄液漏のリスクを減らすために、まだlumbar drainを入れています(術後ベット上の安静が必ず必要になります)生で見ることで、こちらの外科医がどういうところがまだ苦手でとこが得意なのかということを細かく理解ができます。改めて自分達の技術のレベルということを客観的に感じることができて良い経験になっております。

その後日本とインターネットで手術動画をつないで、日本の手術指導をさせていただきました。世界中のトップアスリートだって、コーチがいるわけですから、たとえ一人で手術ができるレベルの人たちに対しても、定期的にコーチングというのはあるべきなんだと思います。こうやって非常に簡単に情報や技術の交流ができる世の中になるというのは素晴らしいことだと思います。

朝4時30分から遠隔医療システムのセットアップ
6時30分から予備校の遠隔授業
終わってから現地アメリカで手術見学
手術が終わって、日本とインターネットを繋いだ遠隔手術指導

と、なんだか今日は時間感覚がおかしいですが、そろそろ22時間経過します。なんとかあと少し頑張ってゆっくり布団で寝たいと思います。

遠隔医療システムとしては、Borderless Vision( https://blv.co.jp/)の作っているKIZUNA visionを使わせていただいております。