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当院の鼻腔癌に対する耳鼻科・放射線治療部・病理部の連携がすごい!!

当院では、鼻副鼻腔がんの患者さんの治療は、多科連携でやっています。

腫瘍を切除出来たとしても外科手術単独で治療できないような悪性度の高い腫瘍の場合は、術後に放射線治療や抗がん剤の治療が合わせて行われます。

特に、単独でも根治を望むことのできる放射線治療部との連携は患者さんの予後に大きく左右します。

当院は、独自で開発している内視鏡技術を基に、腫瘍をできる限り一塊にして切除し、その組織から断端の評価をします。その断端の評価やレポートの書き方は、一から病理部の先生方に大村が直接お願いに上がり、今のシステムを作りました。

そのレポートを基に術後の放射線治療が必要な方は、放射線治療部の先生と一緒に照射領域を一人一人テーラーメードで強度などを調整します。

テーラーメードと言えば聞こえは良いですが、やっている医者たちにしてみれば時間を合わせたり、相談したりと時間がかかります。でも、その頑張りの結果、患者さんたちに良い医療が提供できると信じているからやっています。

以前当院の放射線治療部の先生が、当院の嗅神経芽腫の患者さんたちに放射線治療をした結果をまとめて放射線治療の専門家の集まる学会で発表したところ賞をいただき、多数の同業の先生からどうやったらそのようなテーラーメードの治療が立てられるのか?と質問を受けたと聞きました。改めて自分たちのやっている医療が普通なことでなく、専門家からも評価されるレベルなのだということを実感しました。

本日、この我々の取り組みを英語論文として世界に発表するために、放射線治療部の先生とズームでミーティングをしました。5年後、10年後我々のやり方が世界中で当たり前となる日を夢見て、論文化まで駆け抜けます。

鼻副鼻腔腫瘍・鼻副鼻腔悪性腫瘍と付き合いやすい世の中にする

東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科 大村和弘