MENU

先生のモチベーションはどこからきますか?

この質問は、かなりよく来る質問だ。鼻腔腫瘍や頭蓋底手術関係の長い手術を含めて鼻の手術や鼻の緊急手術はもちろん、気道関係の緊急手術もかなりの割合で関わっている。論文の指導だって、学会発表の指導だって、国際学会の準備だってなんだって時間がかかるし、かなりのエフォートを割いている。もちろん家族だっている。

どこから来るって?

そりゃ、平たく言ってしまえば全部患者さんのためだ。いまだに統一されていない術式など山ほどある。わからないことも山ほどある。そのわからないだらけの中で迷わない何かを持ちたいと誰もが思っている。だから自分の技術を高めるんだ。それが僕ら外科医がわかりやすく努力のできる一つのことである。

先日、笑い話なのか、笑えない話なのかよくわからない話しを聞いた。本当のことかもわからない。その内容はこうだ。

その先生の元に、急患がきて、夜中から始まる手術だった。手術に備えて、レジデントの子に先に夕食を食べに行こうと誘ったら、「彼女が夕食を作って待っているので、家に帰ります」と言われた。とのことだった。働き方改革だから仕方ないよ。そんなの当たり前だ。その話しを聞いていた先生方は口々に言っていた。

みんな笑っていたけど、僕は笑えなかった。

技術を高めるためには、お金も時間も全てを犠牲にする。そんな格好良い外科医がまだ日本には沢山いる。その人たちが働き方改革の渦に飲み込まれていて、後輩たちへの指導の仕方を迷っているのか諦めているのか、そんなようにしか見えなかった。

かくいう僕も渦に飲まれている。何が正解かもわからない。でもレジデントの先生たちには、自分の子供達に伝えることを伝えたいと思っている。それが優しさだと思っている。