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常に前をそして少し上を

僕がインドアな性格なのでか、子供達にもインドアがうつってしまった。とか言いながら、休みの日なのに子供達が家で遊んでいるのを見ると、なんだか落ち着かない。いろんな手で外に遊びに行こうよと誘ってみるものの、この炎天下なかなか乗り気にならないのももっともである。そこで妻と僕は子供の熱中症も気をつけながら体を動かせる場所として、プールを選んだ。妻は近所のプールのことを指していたが、僕は自転車で30分ほどの場所にあるプールを選んで、「ここに行かない?」と声をかける。妻はギョッとした顔で「こんな暑いのに、危ないでしょ」とかなんだか言い始める。その言葉の意味がどのくらいわかっているのか、子供達も同じことを言い始める。暑いから行きたくないとか、疲れたとか。

大人の世界も、子供の世界も一緒だ。

上が弱音や恐怖を持つと、下はその弱音や恐怖に簡単にのみ込まれてしまう。手術中もしかり学会発表しかりなんでもだ。だから弱音や恐怖心を決して表に出さないように、たくさん準備をする。起きうるべき沢山の出来事に対してシミュレーションを繰り返す。

皆が後ろを向いて、下を向きやすい時にこそ、前を向き、少し上を目指す。これが大切だと思っている。

だからどんどん孤独になるし、どんどん孤高の存在になっていくのかもしれない。そう考えると孤高の存在というのも悪くない。ちなみに、子供達との片道30分の自転車旅も、プールでの2時間も大はしゃぎで、来てよかったーと大満足の3時間だった。子供達よ、そして耳鼻科若手医師たちよ、常に前をそして上を!!

大村和弘