慈恵医大は、日本の最古の耳鼻咽喉科であることから、日本最古の手術研修会を開催しております。日本国内の先生方だけでなく、海外の先生方への手術研修会も長年やっております。日本最古の手術研修会なので、伝統があり、かなり格調高いもののような印象がどうして拭いきれません。伝統というと、1から10まで変えてはいけないものと考えがちですが、「伝統は革新の連続」という言葉や、さまざまな大企業が理念を持ちながらも、アクションは変えているように、私たち慈恵医大が大切にしている伝統というのは、手術手技の順番だったり、一挙手一投足をがんじがらめにすることではなく、手術で患者を治すとか、その時代の最先端の治療を提供できる大学とか、世界のレベルを底上げする教育機関であるというような理念を持ちながら外科医としてアクションし続けることが伝統だと信じています。
僕が若い時は、この手術研修会でプレゼンできること、講師となることが非常に高いハードルがあって、本当に選ばれた一握りの人たちのみが参加者の前で発表できました。それはそれで質が高く、プレゼンに重みがあり良いのですが、どうしても参加者と講師たちの距離が遠く、一方的な講義のような形になってしまいがちで、本当の意味で腹落ちするような講義にならないのではないか、という危惧をいだいていました。そこで、数年前から積極的に若手の先生方にプレゼンをお願いするように、大きく変えました。もちろんプレゼンの質は担保しないと、参加者に失礼なので、しっかりとプレゼンは事前に指導して本番に臨む形です。これで、シニアは実際のライブ手術で参加者の前に立ち、若手は講義で参加者の前に立ち、非常に幅の広い厚みのある手術研修会になると確信しています。
ただ、おい若手!!このチャンスが来るのは当たり前ではないんだぞ!!
今回の発表でうまくいかない場合は、次のチャンスが無いというくらいの気概でのぞんでこいよ。
という昭和バリバリのおじさんの気持ち、本人たちに伝えられずモヤモヤしております。
まあこれも自分が伸びるために後輩が与えてくれる試練だと思って、頑張ります。
若手のみんなありがとう!!って自分に言い聞かせて。

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大村和弘