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東京医療センターにお手伝いに来ました。

東京医療センターにお手伝いに来ました。

蝶形骨洞後壁を基部とする鼻腔内反性乳頭腫の患者が居るとのことで手術依頼。

内反性乳頭腫は報告によりばらつきがありますが、10%に癌化する可能性がある腫瘍と言われており、しっかりと一塊で腫瘍を摘出することが可能であれば、追加化学放射線治療を行わなくてもよい可能性があります。

鼻腔はそもそも狭くて術野を取りづらい構造を持っておりますが、2017年に私が世界に発表した匠法(Trans-septal Access with Crossing Multiple Incision法)を用いて無事に一塊に腫瘍を摘出することが出来ました。

今回腫瘍の基部が蝶形骨洞後壁の海綿静脈洞と交通していたので、腫瘍摘出後に出血が一時的に多くなりました。蝶形骨洞後壁は海綿静脈洞や内頸動脈、視神経など日常生活での機能に直結する重要な臓器が沢山ありますので、出血コントロールや頭蓋底再建の技術を持った術者が手術をすることが大切だと改めて思いました。

写真は、左から獨協医科大学埼玉医療センター耳鼻咽喉科医で、僕のところに手術の勉強に来てくれている青木聡先生、今回は助手で参加してくれました。中央は東京医療センターの和佐野先生です。

東京医療センターにて